妊婦の血液で胎児の染色体異常の有無を調べる「新型出生前診断(NIPT)」とは

2020年6月20日、日本産科婦人科学会(日産婦)」は、妊婦の血液で胎児の染色体異常の有無を調べる「新型出生前診断(NIPT)」を実施できる施設の拡大に向けて、指針を改定しました。「NIPT」とは、聞き慣れない言葉ですね。

これは、妊娠10週という早期から実施可能で、採血のみでダウン症などの染色体異常をある程度の正確さで見つけることができる検査方法です。日本では2013年に導入され、①遺伝カウンセリングを受けることができる認定施設で、②35歳以上の妊婦などの条件のもと、③3種類の染色体の検査に限定して実施されています。


晩婚化・晩産化に伴い、検査を希望する妊婦は増加していますが、現在NIPTの実施が認められているのは、日本医学会の認定・登録を受けた全国109施設にとどまり、なかなか予約をとることができない状況です。そういった中、営利目的でNIPTを実施する認定外の民間施設(遺伝カウンセリングのないまま、3種類以外の染色体の異常を見つけたり、胎児の性別を判定したりする目的でNIPTが利用されたりする実態があるようです。)も登場しており、問題視されていました。今回の指針の改定には、こういった背景事情があります。


日産婦は、今回の改定により、小規模な産科クリニックでもNIPTを実施することができるようになり、認定施設が全国で70ほど増える可能性があるとしています。これにより、予約が先送りされている状況が改善し、NIPTがより身近なものになるかもしれません。

ただ一方で、NIPTを受ける妊婦への医学的・心理的サポートがないがしろにされてはいけません。実際の運用のルールは現在も議論中ですから、今後の動向を注視していく必要があります。また、何よりも、私たちは、NIPTが「生命の選別」の道具とならないように、病気や障害のある人々が生き生きと暮らせる社会を創出していかなければなりません。

参考

https://news.yahoo.co.jp/byline/mikiyanakatsuka/20200624-00184780/

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